はじめに
中央情勢
社会福祉法人改革のあり方が検討される社会情勢の中「全日本手をつなぐ育成会」は、社会福祉法人格を返上し、新たな時代にふさわしい運動団体として組織を改め「全国手をつなぐ育成会連合会」として7月よりスタートしました。この連合体は、55団体で構成され、政策提言、権利擁護、本人活動支援などの事業を都道府県の育成会に拠点を移し活動を始めました。国の施策への提言や各ワーキングチームへのヒアリング等の意見答申も、これまでと同様に行われました。9月には盛大に「第1回全国手をつなぐ育成会連合会の全国大会・島根大会」も開催されました。(*資料1全国手をつなぐ育成会連合会機能と役割 巻末)
国では、障害者総合支援法施行の2年目として、重度訪問介護が知的障害者への対象の拡大やグループホームの一元化、サテライト型も制度化しました。放課後等デイサービスのガイドラインも示されました。個別給付や障害児通所サービスの利用者への計画相談支援は、平成27年の3月末までに「全員作成」となっていましたが、全国での作成状況等のバラツキも大きく、「代替えプラン」や「セルフプラン」を認める経過措置がとられました。奈良県では、平成27年3月末では6割程度の達成でした。
また、平成27年度からの障害福祉サービス等の報酬改定が2月に示されました。その中で、食事加算については適用期限が3年後まで延長したものの加算単価が減額されます。生活介護等の基本報酬も下がり、実質マイナス改定であることは否めません。今後、消費税率アップや3年後の見直しでは、より厳しさが予想されます。全国手をつなぐ育成会連合会を通じて国への提言をしなくてはなりません。
奈良県では、障害者基本法と障害者総合支援法に基づく計画として平成25年からの福祉団体・障がいのある家族からのヒアリング等を行い「奈良県障害者計画」が3月に策定されました。「障害のある人が暮らしやすいと感じることが出来る奈良県」を目標としています。また、障害者差別解消法に基づく「奈良県障害のある人もない人もともに暮らしやすい社会づくり条例」が当事者、関係団体との協議や検討会を重ね平成27年3月25日に公布されました。
奈良県育成会では、基本方針に基づき、新しい執行部体制で、会員減、財源不足の中、関係機関との再構築を視野に入れながら、互助精神のもと「地域で知的に障害をもつ方が幸せに生活できる地域社会づくり」のために、第44回研究大会、本人活動支援、部会・委員会活動(往訪相談・小グループ活動)、障がい者理解啓発、奈良県委託事業等について以下の通り取り組みました。
平成26年度は「平成25年度〜27年度活動方針(3ヶ年)」に基づく取り組み2年目となりました。「平成25年度事業計画」に示された「事業計画指針」並びに「育成会再興への取り組み」の進捗状況を次のとおり中間報告します。
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